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もう1月が終わってしまいました。早いものでこちらにきて半年。与えられた期間の4分の1がもう過ぎてしっまったのです。ああ、やっぱりなんと早いことでしょうか! 今日はすこしはずかしい経験から発見した、嬉しい話を書きたいと思います。

10年以上もひたすらVivava のお世話になってきたわたしにとって、ここにきて実践していることは今までとはかなり違ったかたちでの、声へのアプローチ。最終的に求める声は変わらずとも、最初はなかなか手強いものだと実感の日々。何度もめげます。立ち直ってはまた壁にぶつかる、その繰り返しです。今まで自然にあったものが無くなってしまう、いろいろな焦りと不安からうまく自分の気持ちがコントロールできなくて、思わず・・・。ああ、はずかしい。

あるマスタークラスでのことです。どうしてもうまくいかないことがありました。イタリア語のオペラアリアを歌ったのですが、なんとも自分の体の中で歌いごこちがワルいのです。その先生はいろいろ私が持っている問題を克服させようと実践してくださいました。たとえば、彼はビブラートにこだわりました。私は今まで自分の声の中に存在しているビブラートというものを意識しながら歌ったことがありませんでした。 “もっと、もっとビブラート!” “自分の声をよく聞いて!” “ほら、今の聞こえた?” “今のは違う!” “最初はあって音をのばしてる間に消えちゃった!” 私の耳に今まで自然だと思って鳴っていたものをあらためて聞いてみるのは、なんだかすごく難しかったのです。耳が反応してくれないんです。 

どの部分を聞いたらいいんだろう? さっきのと今のでは私は何も違ったことをしていないのに・・・? きこえない! 自分の声がわからない!! 

だんだん、脳みそがパニックになってゆき、全てうまくまわらなくなってしまいました。悪循環ですよね。極度のプレッシャーに、息も流れなくなってきました。かわりに涙が流れてしまいました。あ〜、あかん!と気がついた時にはもう遅いのです。どうして声の響きの場所と涙腺ってあんなに近いんでしょう?! もちろん涙なんて出てきて欲しくないのに!

次の週、いつもの教授とのレッスン。この間のマスタークラスのこともあって第一声は、“ユミコ、サヴァ? サヴァ ミュー?”(ユミコ、元気? 元気戻ってきた?)。実際はちょっと不安でしたが、明るくいこう!と、“オージョーデュイ、 ジェ アポルテ ボクー デュ スリール!”(今日は笑顔をいっぱい持ってきました!) “トレ ビヤ〜ン!”(よろしい!) と、こんな調子で始まりました。 

もちろんマスタークラスで出来なかったことがその日出来るようになっていたわけではないので、うちの先生流の新たなアプローチ。レッスンを進めていく中で、彼女は私に目をきらきらさせて言いました。

“あなたの口から出てくる声は、たとえそれがどんなものであってもあなたの声なの。きっと彼女(声)はあなたに話しかけてる。だからもっとそれを聞いてあげないと仲良くなれない。うまくいかないときはきっと彼女が何かサインを出してる。
彼女はあなたの親友であり、先生はあなたの親友なの。わたしたち、きっとそれが何か見つけられる!心配いらない、わたしは知ってる。あなたはすでにその道の上を歩いてる。”

嬉しくて、優しくて、素敵な言葉たちだと思いませんか? こういう言葉が自然に出てくる人をとても魅力的だと思いました。

というわけで、今日もひたすら壁にぶつかっては自分の声と一緒にうんうん言いながら扉さがし。まだまだ時間はかかりそうですが、忘れかけてた“ぼちぼち”精神であしたも何か新しい発見があることを期待しながら。
                        

                       Paris, le 31 jan. 2002

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