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春のかおりと春の花。

京都の実家の前には、ワタシが言うのも何なのですがとっても素敵な桜並木が続いています。ふらっとタクシーに乗って、“運転手さんオススメのあんまり人の多くない、桜のきれいなところにつれてってください”といったら、きっとここに案内されるのではないかと思うほどです。ご近所さんでは丹波の窯で焼かれた、これまたとっても味のある素敵なお皿達を、桜の季節限定で展示販売されています。私はここの器の大ファンで、トルコ石色で桜のかたちをした小皿と、薄い桜いろをしたとっても掌におさまりのいいお茶碗をもっています。今年は作品を覗きに行けないのが本当に残念です。

日本に電話すると、“今日は暖かかったよ”という日が多くなってきたように思います。初めてのパリの冬は幸いなことに想像していたほど寒くはなく、建物の中が中央暖房というシステムがあちこちにあるからでしょうか、みんな日本よりかなり薄着で、すごく過ごしやすかったです。ところが、お天気の悪さといったら日本とは全く比べものになりません。私は日本の冬の寒〜い日の、すっきりと晴れた午後が大好きです。そんな日はしっかり着込んで鴨川河畔をぶらぶら散歩。ユリカモメやきれいなマガモの夫婦がいたり、北山や比叡山がきれいに見えてほんとに最高なんですよ。“やっぱり、セーヌより鴨川でしょう!”なあんて。もちろんセーヌの散歩道もきれいです!

最近の雨続きで、セーヌも少し洪水気味。素敵な河岸の散歩道も、今日はすっかり濁った水に浸かってしまっています。シテ島の先っぽにある、シンボルツリーのような大きな柳の木も根もとがすっかり水の中。この増水を無事にのりきってくれるといいのですが。そう、パリの冬はとっても雨が多いようにおもいます。かろうじて降っていなくても、すっと曇天だったり。今日は1週間ぶりくらいに朝からすっきりと晴れて、気温もぐんぐん上がって昼間は今までの厚手のコートが要らないくらい。ラッキーなことに今日は学校に練習に行くだけだったので、散歩がてら行けるところまで歩いていってみようと家を出発。なぜかJosephine BAKER のCDをかったり、いろいろ寄り道をしながらメトロ10駅分歩いてお散歩終了、最後は疲れたのでメトロに乗りました。

おとついの日曜日、近所の青空市場に野菜を買いに行ったら、野菜とならんできれいな小さなまるい黄色の花がたくさんついたミモザと、あまり花づきのよくない桜の枝が売っていました。ほんとは桜が欲しいなと思ったのですが、見るからに満開のミモザがより私に強烈にアピールしていたので、結局ミモザのブーケを買いました。あまり広くない私の部屋に飾ると、ぱっと雰囲気が明るくなって、枝を小分けにして洗面所や枕もとの小さな机の上にも飾りました。
部屋中なんというほのかな春のかおりでしょうか! その夜、学校の友人がご飯にやってきてミモザをにおって、“すごく広〜いかおりがする”と。そうなんですよね、私もそう思いました。とてつもなく広がる緑の土地に漂う満開のミモザのかおり。これがフランスの春のにおいなのかなあ・・・。

水に浸かった柳の枝にも瑞々しい緑の新芽が顔を出して、近所の教会裏の公園や小路にひっそり植わっていた、真っ黒の無愛想な木の枝から驚くほどかわいい薄ピンクの花が咲き始めていました。

「Er ist's」を口ずさみながら、大きく春の気配を深呼吸。“ん、春の味覚は何だろう?”と足は市場に向かいます。

追: 今日買ったCD、古き良きパリという感じでなかなか素敵です。

                          Paris, le 26 2 2002

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