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皆さん、こんにちは。お元気ですか? 

こちらもすっかり春らしく(フランス的には夏?!)なってきました。ここ暫くまとまった雨はずっと降っておらず、20度前後の日差しは優しく、そして風は爽やかな、ほんとうに過ごしやすく気持ちのよい毎日です。夜は9時を過ぎてもまだまだ明るく、学校から7時ごろに帰って窓を全開にして、のんびり夕ごはんの支度をしているときはほんとうにシアワセ〜な気分です。そして夕暮れの空のいろとオレンジ色の街灯のいろが何ともいえず微妙に混ざり合い、ゆっくりと空のいろが変わっていくようすをお向かいの屋根ごしに眺めながら、テーブルの上にロウソクを灯しつついただく食事は、なんとも心を満たしてくれるのです。

先週から2週間の春休みです。今回は日本から母がやって来たのもあり、いろいろ盛沢山のヴァカンス。母と初めての母娘2人旅は大西洋岸のラ・ロシェルという港町とそこから橋でつながっているレ島。塩の花(天然の塩でとってもコクがあり料理の味がすごく変わる、いいお塩です)と牡蠣、そして素晴らしい景色で有名な、パリからTGV(フランス版新幹線)で3時間のその町は、はたして素晴らしい所でした。車窓から見える一面の菜の花畑や、なだらかな新緑の丘の美しさに2人で感動しながら旅はスタート。あちらでは少し肌寒かったものの日差しは温かく、レ島では丸1日レンタサイクルをして、島中を巡りました。大自然の中、なだらかな道を海岸に沿って塩田や素朴な美しい家並みを満喫しながらのサイクリングは、自転車のサドルが硬すぎてお尻がとっても痛いのがなければ、いつまでも続けていたいと思うほど素敵でした。母はひさびさの大運動に少々お疲れのようでしたが・・・。母にとっても、以前詰め込みのヨーロッパ観光旅行でパリを訪れたときの印象とは全く違ったフランスを発見したらしく、大満足の様子でド・ゴール空港から帰ってゆきました。
ただ一つ彼女の希望は、「歩道の犬の○○コさんだけはなんとかしてほしいわよねえ。」同感です。

先週の金曜日、シャトレ劇場でリヒャルト・シュトラウスのオペラ「アラベラ」を見てきました。シャトレ劇場はパリの中心にある、斬新な演目と演出で有名なユニークな劇場です。「アラベラ」は二重唱をCDで聴いて知っていたものの、全曲とおして聴くのは初めて、そして大好きなバーバラ・ボニーが妹役のズデンカを歌うのもあり、とても楽しみにしていたのです。前評判どおり素晴らしい公演、アラベラ役のカリタ・マッティラの丸く温かいリリックな声が印象的で、興奮覚めやらぬままCDも買ってしまいました。

シャトレ劇場というと、面白いエピソードを一つ。
こちらに来てからこの劇場にもたびたび通っているのですが、女性の歌い手のリサイタルには必ずといっていいほど名物おじいさんが聞きに来るのです。最初はルネ・フレミングのリサイタル。プログラムが全て終了すると拍手の嵐の中、おもむろにそのおじいさんは花束を持って舞台に向かって歩いてゆくのです。ここまでは、よくある光景。しかし! 
花束を持つ逆の手には、大ぶりの線香花火が燃えているのです。「消防法とか平気なのかなあ?」と、妙に現実的な心配をしてしまう私なんかの気持ちをよそに、彼はどんどん舞台の方へ進み、念願の彼女に花束を手渡すと(その頃には花火は終わる寸法)、一緒に持った紙袋の中から、色とりどりの花びらを舞台の上へ思いきり撒き散らすのです。まだ照明の落ちた客席の中を可憐な線香花火を灯し、花びらのじゅうたんを全て敷き終えると、最後の仕上げに彼はクラッカーをひとつ鳴らすのです。その光景を全ての観客が楽しんで見守っている、最初はびっくりしましたが、今では「今日はおじいさん来はるかな?」と楽しみでもあります。その夜は、彼女にとってもシャトレ劇場デビューリサイタルというのも手伝ってか、ジャズなども交えてなんとアンコールが6曲もありました。ブラボー! そして、フェリシティー・ロットのリサイタルのときも彼は出没したのですが、トーマス・ハンプソンの時には現れませんでした・・・。やはり女性限定のようです。

明日から一泊の予定で、コンセルヴァトワールの友人のリサイタルを聞きにモンペリエまで行ってきます。フランスの国鉄(SNCFといいます)にはいろんなチケット割引システムがあり、25歳以下であれば50%オフ!や、ふたりで旅行すると25%オフなどなど・・・。旅行好きや若い人たちには有難いシステムです。これもヴァカンス大国であるのに大事な要素なのかもしれませんね!

                          Paris, le 24 4 2002

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