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Vivava応援団の皆様こんにちは。ようやく学年末の試験らしきものがひととおり終了し、あとはわずかな授業を残すのみとなりました。同期の日本の友人達や、ハルトマン教授クラスのみんなでささやかに打ち上げをして、これで音楽院の一学年目も終わりです。思えばいろいろありました・・・。先週から遊びにやってきている妹が「お姉ちゃん、ちょっと声が変わったような気がする〜」などと言っていましたが(あんまりアテにならない?!)自分ではあまり実感がわかないので、この夏にまた大森先生のところにいっていろいろ聞いていただきたいと思っているところです。
先週いつもとはちょっと違うオペラに行ってきました。タイトルは「ファソン アン オペラ」、ブリテンの「オペラを作ろう〜」というオペラ。フランスに来る前、2年間滋賀県のびわ湖ホールで働いていたときに初めてやったオペラがこれなんです。音楽院の同級生が2人出演するというので、土曜日の午後たくさんのチビッコに囲まれながら、オペラコミーク座に行ってきました。日本の時は対象が中学生だったのですが、今回は年季の入った肱掛椅子に小学校に上がる前〜低学年生くらい年頃の子供がいっぱい! みんないつもと違う雰囲気と服装にかなり上気した様子で、手には劇中でうたう歌の歌詞のプリントされた紙をしっかりと持っています。びわ湖ホールでは日本語でしたように、もちろんここではフランス語での上演。ベルが鳴ることもなく、いつのまにかオペラが始まり、いまどきのお兄さんとお姉さんと子供たちが、テンポよく会話を進めていくのに観客のみんなは聴き入っています。さて、客席のみんなが歌を練習する場面です。フランス語の歌詞の意味はよくわからなかったのですが、メロディーはバッチリ覚えていたので、私が3階の最前列で大きな声で歌っていると、となりに座っていた1年生くらいの男の子が興味深そうな様子で「前に見たことあるの〜?」「うん。楽しいわよね、このオペラ。」「僕も2回目なんだ!」。ちょっと物知り気な様子で、丸い目をきらきらさせて得意になってうたうあたり、「カワイイ〜」の一言でした。この子に限らず、みんな結構大きな声で、特に動物の鳴き声を真似る歌詞のところはそれぞれ“ウ〜ウ〜ウ〜”だとか、“トゥルトゥルトゥル”“ピンッピンッピンッ”などと真剣そのもの。大変恐れ入りました!
昨日は夏至の日。昼間が1年でいちばん長い日。なんと夜の11時頃になってもまだほんのり薄明るいのです! その宵をおおいに楽しむ為にと、パリでは(フランス国内各地でも?)「フェット ドゥ ラ ミュズィーク、音楽のお祭り」というように題して街中いたる所で夜通し音楽でもりあがろうという一大イベントがあります。マレ地区などでは本当に凄い人出で、さながら祇園祭の宵山のようだったそうです。レピュブリック広場ではレニー・クラヴィッツの無料ライブなんかもあったらしく、お祭り好きのラテン民族のスケールの大きさにはほんとにびっくりします。私の家のすぐ近くでも、音楽好きの人達が集まって歩道に簡易舞台を作り、夜中2時ごろまで何やらオールディーズのスタンドナンバーから今のはやりの曲までいろいろ賑やかに騒いでおられました。
近所で聞こえる音楽といえば! ここに住み始めて約10ヶ月。引っ越してきたその日に大荷物を持ってタクシーから降りた私とクラヴシニストの友人に、窓辺から声をかけてきたユニークなおじいさんがいたのです。そのときはまだフランス生活にも慣れずびくびくしていて、突然上から嗄れ声で話しかけてきたそのおじいさんを「変な人が向かいに住んでる・・・」なんて思っていたのです。しばらくしてその窓辺からヴァイオリンが聞こえるのに気がついて、その音の主はあのおじいさんだということにも、今度は私が上からのぞいて気がつきました。“おじいちゃん、結構なお年ふうなのにうまいなあ〜”と思いつつこちらも時々部屋で練習しながら聞いていました。先日、友人が遊びに来ていた夕方、偶然私が窓辺の植物に水をあげていたところ、2階下のそのおじいさんがちょうど窓から顔をひょっこり出しました。思わず目が合ってしまったのでにこやかに、「こんにちは。いつもバイオリンを弾いているのはあなたですか?」と話しかけたところ、ダボダボのシャツにトランクス一枚という姿のその変わった風貌のおじいさんは「そうだよ。もしかしてきみも音楽家かい?」。そのやりとりに興味を示した友人が隣にやってきて同じように窓の下を覗きこむと、ハッとした様子でそのおじいさんの名前は何ですかと尋ねました。おじいさんはちょっと戸惑った様子で、「わしの名前?! え〜っと、なんだっけなぁ〜。きみ、覚えてる?」とユーモアたっぷりに聞き返してきました。 そうなんです! 驚いたことにそのちょっと変わった感じのおじいさんはやはりタダモノではなく、ギトゥリスさんというとっても有名なバイオリニストだったのです。「また今度一緒に食事でもしませんか〜」と、映画「アメリー」顔負けのこのエスプリ!! なかなか電話はかかってきませんが(あたりまえ?!)来週から日本に演奏旅行だそうです。友人曰く、「音楽のスケールが違う! あんなバイオリン弾く人はほかにいいひんよ!」。最近の窓辺BGMは有名なブラームスのコンチェルト。こちらもそのメロディーを口ずさみながら、夕ごはんの支度の手も軽やかです。さてさて、本日のお味のほうは?
Paris, le 21 6 2002
